病気の症状が重いときは、病院や診療所などで医師に診察してもらうだけでも大変です。さらに、薬局まで 処方箋 をもらいにいくのは本当につらいことは想像できるでしょう。診察は他人に代わってもらえませんが、薬局に行くのは他の人に行ってほしいとつい思ってしまいますよね。そんなことが可能なのでしょうか。
代理人は処方薬を受け取れる
症状が重い人や乳幼児、高齢者などは自分で薬を受け取るのが難しい場合があります。また、仕事などで忙しく処方箋の使用期限内に薬をもらうのが難しい場合もあるでしょう。そのような人は、代理人にお願いして薬局で処方箋を受け取ってもらうことが可能です。ご自身で無理をせず、他人に頼ることも大切です。
代理人にお願いする時の注意点
代理人に薬局で処方箋を取りに行ってもらう場合、注意しないといけないことがいくつかあります。
注意点①処方箋の原本を渡す
処方箋の原本は必ず薬局に提出しなければいけません。患者本人が事前にFAXやネット、スマホアプリで受付申請を行い、薬の受け取りだけを代理人に行ってもらう場合でも、処方箋の原本が必要になります。なので、代理人に必ず原本を渡しましょう。なぜならば、日本国内では処方箋を抜きに医師が処方した薬を受け取ることは禁じられているためです。各薬局が提供しているFAX、ネット、スマホアプリによる処方箋情報送信サービスは、あくまでも受け取りまでの待ち時間を短くするためのサービスなので勘違いをしないようにしましょう。
注意点②保険証を渡す
処方薬は保険対象なので、薬局で保険証を提示する必要があります。初診以外だと保険証が必要ない可能性もありますが、念のため代理人に保険証を渡しておくといいでしょう。一般的に、調剤薬局では、月の中で初めて薬局にかかる場合は保険証の提出を求められるケースが多いです。たとえば、6月に薬局で薬をもらっていたが、月が変わって7月になった時にはに再度保険証の提示を求められるというような形です。代理人に本人に変わって薬の受け取りを頼む時期が月初になる場合には保険証も忘れずに渡すようにしましょう。そうしないと、10割負担を求められ、代理人に迷惑がかかることになってしまうからです。
注意点③身体の状況を伝える
薬局で処方箋を提出する時に問診票を書きます。代理人の場合、「わかる範囲で記入してください」と薬剤師にお願いされることが多いです。副作用のリスクなどにも関係する可能性があるので、なるべく詳しく記入できたほうがいいです。なので、代理人にお願いする際は、薬物アレルギーや過去の副作用の経験、服用中の薬などを詳しく伝えるように心がけましょう。
任意:お薬手帳を渡す
代理人にお薬手帳を渡すかどうかは任意ですが、薬剤師はお薬手帳から本人の情報を把握できます。問診票の内容と照らし合わせて、処方箋の内容で問題ないかより細かく確認することができます。また、薬局で薬の処方を受ける際にはお薬手帳に貼るシールを渡されるケースが少なくありません。お薬手帳は個人の薬歴を残すための大切なツールです。今は薬局も患者の処方データを個別に残すようなシステムが導入されていることがほとんどですが、薬局をまたいだ個人の患者薬歴情報はお薬手帳以外に残りません。代理人に薬の受け取りを依頼する場合は、忘れずにお薬手帳を渡すようにしましょう
まとめ
薬局で処方薬を代理人に受け取ってもらうことは可能です。その際に、処方箋の原本や保険証、お薬手帳を代理人に必ず渡しておきましょう。もし渡し忘れると、取りに帰るなど二度手間になることがあります。また、忘れがちですが、処方箋の有効期間が発行から4日間であることに注意してください。いかなる理由があっても、有効期間を過ぎた処方箋で薬を受け取ることはできません。海外ではスマホやPCで薬局に提示できる電子処方箋が使えるケースもありますが、日本国内の薬局ではまだ病院で発行された紙の処方箋が必要です。