錠剤を何度飲んでも、のどを通ってくれない。そんな悩みを抱えている方もいるはず。そして、錠剤を飲みやすいように砕いて飲んだらいいのではないかと閃いた方がこの記事を読んでくれていると思います。ここでは、そんな方の疑問にお答えしていきます。

砕いていい錠剤とそうでない錠剤

錠剤を砕いて飲んでもいいかという疑問に率直に答えるならば、「砕いていいものと砕いてはいけない錠剤がある」。その見分け方は一般的に、錠剤がコーティングされているどうかで判断できると言われています。コーティングされている錠剤は砕いてはいけません。実は、砕いてはいけない錠剤には私たちが服用する上での配慮があるからです。

砕いてはいけない理由とは

コーティングされている錠剤を砕いてはいけない理由にはいくつかあります。

1. 服用時に強い苦味を感じないため

粉末で服用すると、タミフルなど強い苦味を感じることがあります。苦味の感じ方には個人差がありますが、人によって苦すぎる薬は効果があるとわかっていても2度と服用したくないと思うこともあるでしょう。そのような人を無くすために、非常に苦い薬が舌に触れることなくよう錠剤になっていることがあります。

2.有効成分を湿気から守るため

薬の中には、空気の湿気により固まったり変質してしまったりするものが存在します。そのような薬を製造、または処方する側としては、

・服用者に保管方法の注意を促す
・湿気に強い錠剤にする

この2つの対処法があります。保管方法を比較的気にする必要のない錠剤のほうが、私達服用者にとってありがたいのかもしれません。

3. 有効成分が腸で溶けるようにするため

薬の中には、胃酸の影響で効果を発揮できないものや胃に悪影響を及ぼすものがあります。本来の薬の効果を発揮してもらうためには、有効成分が腸で溶けだし吸収される必要があります。錠剤にすることで、有効成分を錠剤の中に閉じ込めたまま胃を通過し、腸にたどり着くことができます。

4. 徐放錠である

徐放錠とは、時間をかけて有効成分がゆっくりと溶け出し吸収されることを目的とする錠剤のことです。薬の成分によっては、一定時間の間に吸収される上限量が決まっています。そうすると、多量の有効成分が一気に溶け出したとしても、吸収されない余分な成分が出てしまいます。そこで、余分な成分がなるべく出ないように計算し、錠剤が作られることもあります。

砕いていいか迷ったときは

錠剤を砕いてもいいかどうかわからなくなったときは、医者か薬剤師に相談することをおすすめします。薬に関する判断は専門知識のないと難しい場合もありますので、自分の判断で錠剤を砕いて飲む場合は十分注意してください。