「薬局」と聞いて、みなさんはどのような場所を想像するでしょうか。処方薬を受け取る調剤薬局、一般医薬品や生活用品を販売している薬局など、様々な場所を思い浮かべるでしょう。しかし、人それぞれ思い浮かべる「薬局」が違うと、話が噛み合わないことがありそうですよね。そこで、「薬局」と本来どのようなところであるのか説明していきます。

そもそも薬局の定義とは

「薬局」の定義は、次の条件で定められています。

条件① 薬剤師が常にいる

薬の適切な調剤や販売を行うために、薬の専門家である薬剤師の存在は不可欠です。

条件② 接客する部屋とは別に調剤設備が整った部屋がある

接客するスペースのように誰でもはいれるような部屋の場合、空気中の病原菌などで不衛生です。調剤をするためには、清潔な場所で行ってほしいと誰でも思います。薬局では必ず部屋を清潔に保つための換気設備などが整った調剤用の部屋を用意する必要があります。

薬局と名乗るためには

薬局の定義を満たしたからといって、「薬局」と名のついた店舗を開設できるわけではありません。「薬局」と名乗るためには、その地域を管轄している各都道府県や市などの保健所から認可を受ける必要があります。必要書類の提出など決められた手続きを経て、ようやく「薬局」として認められます。

ドラッグストアは薬局なのか

ここまでの説明を読んで、ドラッグストアが薬局なのかどうか疑問に思った方もいるでしょう。本来、ドラッグストアは「薬店」と呼び、薬局と区別されていました。しかし、近年、調剤用の部屋を整えていて、薬局の定義を満たしているドラッグストアが登場しています。ややこしいですが、ドラッグストアには、薬局である店舗もあれば、薬局でない店舗もあるというのが答えになります。

調剤薬局とは

調剤薬局という呼び方を聞くかもしれませんが、法律上ではこのような名称は存在しません。調剤薬局と呼ぶことで、調剤を主にを行っている薬局と認識されやすいからに過ぎません。

保険薬局とは

保険薬局とは、地方厚生局から保険指定を受けている薬局のことです。「保険」と名の付いている通り、保険の対象となる処方箋の調剤を主に行っているところが多いです。保険薬局の報酬請求は法律で定められている規定に則っているので、薬局の窓口で支払うのは保険が適用されている金額もなります。

保険薬局以外の薬局もあるの?

「薬局」と名乗っているが、「保険」薬局ではない薬局もあります。そのような薬局は主に薬局製剤を取り扱っています。薬局製剤とは、厚生労働省が定めた基準に従っている医薬品にことで、処方箋がなくても購入することができます。結局のところ薬局製剤って市販薬と同じだと思う方もいるでしょう。しかし、薬局が独自に製造し販売しているという点で、薬局製剤は広く流通している市販薬とは異なります。