日本では医薬品の価格が薬価改定という制度でそれぞれ管理されている。そのため、薬価がどのように設定されるかによって業界全体の収益は大きく変化してしまう。医療費の増大を抑える必要があるので、薬価改定ごとに業界全体として減益の傾向にある。
減益は新薬開発を鈍らせる
薬価改定ごとに収益が厳しくなっていくと、製薬会社としては新薬開発に慎重にならざるを得ない。そのため、収益性が見込まれる新薬の開発が優先され、そうでない新薬の開発は遅れることが想定される。医療の現場で本当に必要とされる医薬品が開発されず、医療の質の低下を招きかねないという懸念が上がっている。
そこで、新薬創出・適応外薬解消等促進加算を定めて、製薬会社の新薬開発を促進して適用外薬問題を解消することを目指している。
新薬創出・適応外薬解消等促進加算とは
新薬創出・適応外薬解消等促進加算とは、対象品目に定められた医薬品について実質的に薬価を一定期間維持することである。対象品目は薬価改定で薬価が引き下げられることがなくなり、製薬会社としては安定的な収益が確保できることになります。
加算の条件とは
加算の条件として、医薬品への条件と開発への条件があります。まず、医薬品への条件ですが、
- 新薬として薬価に収載されている医薬品
- 後発品が薬価に収載さていない医薬品
- 薬価収載の日から15年を経過した直後の薬価改定を経ていない医薬品
- 市場実勢価格の薬価に対する乖離率が、全収載品の加重平均乖離率を超えない医薬品
これらの条件を満たす必要があります。これに加え、開発の条件として、以下の3つのうちいずれかを満たす必要があります。
- 真に医療の質の向上に貢献する医薬品の開発(加算適用企業)
- 開発要請品目の開発(加算適用企業)
- 公募品目の開発(業界)
医薬品と開発への条件を満たすと、加算の対象品目となります。条件は非常に厳しくなっており、製薬会社のすべてが加算の恩恵を受けられるわけではありません。
加算の金額と有効期間とは
対象品目の加算額は算定式で定められています。
加算額
=市場実勢価格に基づく算定値×(全既収載品の平均乖離率-2%)×0.8
=市場実勢価格に基づく算定値×(全既収載品の平均乖離率-2%)×0.8
ただし、加算の対象品目になったからといって、ずっとこの加算額を保証されるわけではありません。加算が認められている期間が定められており、
- 新薬の薬価が収載されてから15年が経過した直後の薬価改定
- 後発品が上市された次回の薬価改定
このいずれかの薬価改定を迎えると、加算の対象品目から外されます。