処方箋 とは、病院や診療所などの医療機関で発行される薬の処方が記載されている書類のことです。この書類は好きな薬局にもっていくことができ、その薬局で書類に記載されている薬を調剤してもらうことが可能です。多くの方は処方箋をもらった医療機関の近くにある薬局を訪れるでしょうが、極端な例を上げると、沖縄の病院でもらった処方箋を北海道の薬局に提出することもできます。このように処方箋を提出する場所は好きに選べますが、実は処方箋を好きな時に薬局へ持っていけるわけではありません。なぜなら、処方箋には有効期間が存在しているからです。

処方箋の有効期間とは

処方箋の有効期間は、通常、4日間と定められています。処方箋が発行された日が1日目としてカウントします。例えば、9月1日にもらった処方箋はいつまで有効でしょうか?

1+4=5だから、9月5日まで有効だと思ってしまう方もいるかもしれません。しかし、これは間違いです。正しくは9月1日にもらった処方箋の有効期限は9月4日までとなります。単純に日にちに4を足さないように注意してください。もっとも、処方箋自体に交付日と使用期限が記載されているので、心配する必要はありません。

また、ゴールデンウィークやお盆休みのような連休にも注意がしてください。有効期間には土日や祝日などは全く考慮されません。連休の直前は処方箋を発行してもらうと、使用期限内に提出できる薬局の数が限られてしまうことがあります。

有効期限がある理由とは

「処方箋に有効期限なんて必要ないのでは?」と思う方もいるかもしれません。しかし、処方箋とは、その時の患者の症状に必要な薬が記載されているものです。もし処方箋の有効期間がなかったら、患者は医療機関を診療してからすぐに処方薬を貰いに行かない可能性があります。そうすると、患者に必要な時に薬を服用してもらえない、または遅い時期に薬を服用されてしまう可能性があります。薬の服用がなかったり遅れたりしてしまうと、患者の症状が重篤化することも考えられます。なので、できるだけ早く受け取ってもらって医師の意図した服用をしてもらうために、処方箋の有効期間は発行から4日間という短くなっているのです。

できることなら、処方箋を受け取ったらすぐに薬局へ薬をもらいに行ってほしいです。処方薬を早く服用したほうが、症状が早く改善する可能性が高いからです。

時間がない時に便利なサービス

処方箋はもらったが、4日間以内に薬局で薬をもらう余裕がないことも考えられます。そのような時に薬局は便利なサービスを提供してくれていることがあります。

便利なサービス①FAXによる事前送付

FAXで処方箋を受け付けるサービスです。処方箋を薬局に直接持っていかなくても、FAXを使って処方箋を薬局に送信することで薬局が処方薬を用意してくれます。自宅にFAXがないという方もいらっしゃるでしょうが、処方箋のFAXサービスを利用できる可能性があります。その方法とは、処方箋を受け取った医療機関にFAXが用意されているケースです。医療機関によっては窓口付近にFAXが用意されており、その場で処方箋をFAX送信できるので非常に便利です。

便利なサービス②ネットによる事前受付

このサービスは、処方箋の写真を撮影し、インターネット経由で薬局に処方箋の画像を送信するサービスです。スマホの普及が進み、手軽に写真の撮影ができるようになったため、スマホアプリなどで薬局に処方箋を提出できるようになりました。

このようなサービスは薬局に行く時間を最小限にしてくれるので便利です。しかし、注意点も存在します。それは、処方箋の原本は発行から4日間以内、つまり有効期限内に薬局へもっていく必要があるということです。そのため、最終的に薬局へ処方薬をもらいにいくときは、処方箋の原本を忘れずに持参してください。もし処方箋を忘れると、処方薬を受け取ることができないので注意してください。