風邪をひいた時、みなさんはどのような薬を飲みますか?風邪薬のようにすぐに効く西洋薬を飲む人もいれば、葛根湯のように即効性のある漢方薬を飲む人もいるでしょう。西洋薬と漢方薬は「症状を治す」という点では同じですが、症状に対する対処法が全く違います。ここでは、それぞれの特徴とメリット・デメリットを説明していきます。もし今後風邪などの症状にかかった際に、みなさんが自分の症状にあった薬を選択できるようになっていただきたいです。

それぞれの特徴

西洋薬と漢方薬はそれぞれ全く異なる特徴を持っています。

西洋薬の特徴

西洋薬は、症状を迅速かつ的確に治します。基本的には、1つの薬は1つの症状にしか効果がありません。そのため、同時に複数の症状がある場合には、症状ごとに薬を用意して服用することになります。

漢方薬の特徴

漢方薬は、即効性のあるものと体の自然治癒能力を向上させるものを組み合わせて服用することで症状を治します。基本的に、その時抱えている症状をすべて考慮した上で、処方漢方薬は調剤されます。そのため、同時に複数の症状があったとしても、薬の量は多くありません。(市販の場合は購入者が期待している効果のある漢方を選択することになるので、処方漢方薬とは異なる場合があります。)

それぞれのメリット・デメリット

西洋薬と漢方薬のどちらかがより優れているということはありません。お互いに異なるメリット・デメリットを持っています。

西洋薬のメリット

西洋薬のメリットは、ピンポイントで素早く薬が効くことです。症状の原因がはっきりしていると、その原因に効く薬を飲めば、比較的早く症状が治すことが多いです。また、粉薬や錠剤、水薬など薬の形状が豊富です。薬の飲みやすさなどに様々な配慮がなされています。

西洋薬のデメリット

西洋薬のデメリットは、症状が複数ある場合など、状況によっては飲まないといけない薬が多くなることです。そのため、薬どうしの相互作用などにより、副作用の危険性もあります。副作用が心配な方は市販薬も含めて、服用している薬をすべて医師や薬剤師に伝え、相談すると良いでしょう。

漢方薬のメリット

漢方薬のメリットは、体の自然治癒能力を高めることが可能なので症状の原因がはっきりしていない場合でも、その症状を和らげることができます。また、それぞれの身体状況に合わせて薬を作るので、副作用の危険性が比較的低いと言われています。

漢方薬のデメリット

漢方薬のデメリットは、体の自然治癒能力を高める場合、効果を得るのに時間がかかることです。その漢方薬を2~4週間程度継続的に飲み続けることで初めて効果が現れてくるものもあるので、服用を始める場合にはその漢方の効果が現れるのにどれくらいの期間が必要なのかを確認してください。

また、漢方薬は味に癖があり、苦手な人も中にはいらっしゃいます。苦味を感じないようにする飲み方もあるので、いろいろと試してみると良いでしょう。

状況に合わせて選択しよう

ここまでの説明で西洋薬と漢方薬の特徴やメリットについて説明してきましたが、実際に薬を選択するにあたって西洋薬と漢方薬のどちらを服用すればいいのでしょうか。それは、一般的に、状況ごとに適している方が異なると言われています。

西洋薬が適する状況

  • 症状の原因がはっきりしている
  • 緊急性の高い症状である

漢方薬が適する状況

  • 症状の原因が複雑で特定できない
  • 慢性的な症状を改善したい
  • 体質の改善が必要である

まとめ

実際には西洋薬と漢方薬のどちらを使用するか自分で選択することは難しいかもしれません。なので、体調不良などのときは病院で診療してもらい、医師や薬剤師と相談しながら薬を選択するといいでしょう。